
目次
1. 万引きで逮捕されるまでの流れ
店内での発覚
- 目撃と通報: 万引き行為を店員や警備員が目撃し、警察に通報される。店舗内での防犯カメラの映像も決定的な証拠となる。
- 現行犯逮捕: その場で逮捕される場合と、防犯カメラの映像を確認した後に逮捕される場合がある。逮捕されると、警察署に連行され、取り調べが開始される。
具体例
- 例1: スーパーマーケットで商品をポケットに入れた瞬間を店員が目撃し、その場で取り押さえられ警察に通報。警察が到着し、現行犯逮捕となる。
- 例2: 書店で万引きした商品が防犯カメラに映っており、後日、警察がその映像を元に捜査を進め、逮捕状を取得して後日逮捕。
逮捕の種類
- 現行犯逮捕: 犯行が目撃された直後に逮捕される。警察官が現場に駆けつけ、その場で取り押さえ、警察署に連行する。
- 後日逮捕: 犯行から時間が経過してから、証拠に基づき逮捕される。防犯カメラの映像や証人の証言を元に逮捕状を請求し、後日逮捕する。
※ 図1: 現行犯逮捕と後日逮捕の違い
2. 逮捕後のプロセス
警察署での手続き
- 取り調べ: 逮捕後、警察署で取り調べが行われる。容疑者は警察官に対して詳細な供述を行う。取り調べの過程で、容疑者の権利や取り調べの方法について弁護士がアドバイスを提供することが重要。
- 検察官送致: 警察での取り調べが終わると、検察官に送致される。検察官が取り調べの結果を元に、勾留の必要性や起訴の可能性を判断する。
勾留の決定
- 検察官による判断: 24時間以内に勾留の必要性が判断される。必要と判断された場合、裁判所に勾留請求が行われる。裁判所が勾留を決定すると、最大23日間の勾留が可能となる。
- 裁判所の勾留決定: 勾留が決定すると、容疑者は警察署内の勾留施設に収容される。勾留期間中、弁護士は容疑者と面会し、取り調べへの対応や証拠収集の支援を行う。
※ 図2: 逮捕後のプロセスフロー
3. 量刑とその判断基準
窃盗罪の量刑
- 基本的な量刑: 窃盗罪(刑法第235条)では、10年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる。初犯の場合、罰金刑や執行猶予付きの判決が下されることが多い。
- 常習累犯窃盗罪: 過去に窃盗の前科がある場合、量刑が重くなる可能性がある。常習犯の場合、懲役刑が選択されることが多い。
軽減されるケース
- 初犯: 初めての犯行で反省の態度が見られる場合、処罰が軽減されることがある。被害者との示談が成立している場合も、処罰が軽減される要因となる。
- 被害弁償: 被害者に対して弁償が行われている場合も軽減の要因となる。被害者の感情や被害の程度も考慮される。
重くなるケース
- 常習犯: 過去に同様の犯罪歴がある場合、量刑が重くなる。再犯の防止のために厳しい処罰が求められることが多い。
- 計画的犯行: 犯行が計画的である場合、量刑が重くなる。組織的な犯行や複数人での犯行も同様。
※ 表1: 量刑の基準と軽減・重加の要因
4. 弁護士の役割と依頼するメリット
示談交渉の代理
- 示談交渉: 弁護士が被害者との示談交渉を代理で行う。示談が成立すると、起訴を回避できる場合がある。示談交渉では、被害者の感情や被害の程度を考慮し、適切な賠償金額を提示することが重要。
- 弁護士の交渉力: 弁護士は法的知識と交渉力を持ち、被害者とスムーズに示談交渉を進めることができる。示談が成立すると、被害者の満足度も高まり、再犯防止にも繋がる。
取り調べのサポート
- 法律相談: 取り調べに対する適切な対応方法をアドバイスする。弁護士は容疑者の権利を守り、不利益な供述を避けるための指導を行う。
- 供述のサポート: 不利益な供述を避けるためのサポートを提供する。弁護士は容疑者の供述内容を確認し、必要に応じて訂正や補足を行う。
裁判での弁護
- 弁護活動: 裁判での弁護活動を行う。証拠の提出や証人の尋問を通じて、容疑者の無罪や量刑の軽減を目指す。
- 判決への影響: 弁護士の弁護活動は、判決に大きな影響を与える。適切な弁護を受けることで、無罪や軽減された量刑を勝ち取る可能性が高まる。
具体例
- 例1: 弁護士の介入により示談が成立し、不起訴処分となったケース。初犯の容疑者が被害者に対して適切な賠償を行い、示談が成立したことで、刑事処分を免れることができた。
- 例2: 取り調べ中に弁護士のサポートを受け、供述内容が適切に整理され、処罰が軽減されたケース。弁護士が容疑者の供述を確認し、誤解や誤った情報を訂正することで、量刑が軽減された。
※ 図3: 弁護士の役割とメリットの図解
5. 実際のケーススタディ
初犯の万引き
- 状況: 初めて万引きをした大学生が、コンビニエンスストアで商品を万引きしようとしたところを店員に見つかり、現行犯逮捕されました。
- 対策: 弁護士として被害弁償と示談交渉を行いました。被害者との示談交渉を進め、賠償金を支払うことで示談が成立しました。
- 結果: 示談が成立し、不起訴処分となりました。大学生は再犯防止のための更生プログラムに参加し、再発防止に努めることができました。
常習犯の万引き
- 状況: 過去に複数回の万引き歴があるサラリーマンが、デパートで万引きを行い、防犯カメラの映像から犯行が確認され、後日逮捕されました。
- 対策: 弁護士として反省文を提出し、再犯防止のための更生プログラムに参加しました。被害者との示談交渉を進め、適切な賠償金を支払うことで示談が成立しました。
- 結果: 執行猶予付きの判決を受け、更生プログラムの参加と反省の態度が評価され、実刑を免れることができました。
計画的な万引き
- 状況: 計画的に万引きを行った主婦が、複数のスーパーマーケットで繰り返し万引きを行い、防犯カメラの映像から犯行が確認され、逮捕されました。
- 対策: 弁護士として謝罪文を提出し、被害者との示談交渉を行いました。被害者との示談交渉を進め、適切な賠償金を支払うことで示談が成立しました。
- 結果: 重い量刑を受けましたが、更生プログラムへの参加と再犯防止の取り組みが評価されました。
6. まとめ
早期相談
- 逮捕前の対応: 逮捕される前に弁護士に相談することで、事前に最善の対策を講じることが可能です。例えば、証拠の保全やアリバイの確認、被害者との早期示談交渉など、迅速に対応することで、事件の進展を有利に進めることができます。
- 取り調べ対策: 逮捕後、取り調べに対する適切なアドバイスを受けることで、不必要な供述を避け、権利を守ることができます。弁護士は取り調べの際に同行し、法的な助言を提供することで、被疑者の不安を軽減します。
- 処罰の軽減: 弁護士の適切な介入により、処罰を軽減する可能性が高まります。例えば、初犯の場合や被害者との示談が成立した場合など、弁護士のサポートにより、より軽い刑罰や不起訴を目指すことができます。
- 再犯防止: 早期に弁護士と連携することで、再犯防止のための更生プログラムへの参加や、必要なサポートを受けることができます。これにより、長期的な視点での更生が促進されます。
弁護士の選び方
- 信頼性: 信頼できる弁護士を選ぶことは非常に重要です。弁護士の評判や口コミ、信頼性を確認することで、安心して依頼することができます。
- 経験と実績: 弁護士の経験や実績を確認することも重要です。刑事事件における豊富な経験を持つ弁護士は、示談交渉や裁判において効果的なサポートを提供できます。具体的な成功事例や過去の案件を確認しましょう。
- 専門分野の確認: 弁護士の専門分野を確認し、依頼する案件に適した専門知識を持っているかを確認することが重要です。例えば、万引きや交通事故など、特定の分野に強い弁護士を選ぶことで、より専門的なアドバイスを受けられます。
- コミュニケーション能力: 弁護士とのコミュニケーションがスムーズであることも重要です。依頼者の話をよく聞き、わかりやすく説明してくれる弁護士を選びましょう。
- 料金体系の明確さ: 弁護士費用の料金体系が明確であることも重要です。事前に費用について詳しく説明してもらい、納得のいく形で契約を結ぶことが大切です。
- 相談のしやすさ: 弁護士事務所が相談しやすい場所にあるか、営業時間や対応可能な時間帯が自分の都合に合っているかも考慮しましょう。特に刑事事件では緊急対応が求められることが多いため、24時間対応可能な弁護士を選ぶと安心です。
- アフターケア: 裁判が終わった後のアフターケアも重要です。再犯防止のためのフォローや、今後の生活についてのアドバイスを提供してくれる弁護士を選びましょう。

千葉弁護士会所属
刑事事件を専門とし、多数の無罪判決や画期的な成果を獲得してきた実績があります。
刑事弁護実績600件以上!
強制わいせつ致傷事件で無罪判決、窃盗事件で無罪判決2件、道路交通法違反事件で無罪判決、強制性交事件で認定落ち判決、殺人未遂事件で中止犯認定による執行猶予判決など、多くの困難な刑事事件で圧倒的な成果を達成しています。
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