
公然わいせつ罪でお悩みの方へ:人生を守るための弁護活動と対策
公然わいせつ罪は、刑法第174条に規定されている犯罪であり、不特定多数の人が認識できる場所でわいせつな行為を行うことを指します。性犯罪の中でも比較的軽い刑罰が科されるものの、逮捕や前科がつくことで、人生に大きな影響を及ぼす可能性があります。この記事では、公然わいせつ罪に関する詳しい情報、逮捕後の流れ、弁護士の重要性、具体的な弁護活動などを解説します。
公然わいせつ罪とは?
公然わいせつ罪の定義
公然わいせつ罪は、「公然とわいせつな行為をした者は、6か月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する」と刑法第174条に規定されています。この法律は、社会の善良な性的道義観念を保護するために設けられており、性行為や性的な露出行為を公然と行うことを禁止しています。
公然わいせつ罪の成立要件
公然わいせつ罪が成立するためには、以下の要件を満たす必要があります。
要件 | 内容 |
---|---|
公然性 | 不特定または多数の人が認識できる状態で行われたこと。場所としては、路上、公園、ショッピングモールなど公共の場所が該当します。 |
わいせつ性 | 性欲を興奮または刺激し、社会の善良な性的道義観念に反する行為。具体的には、性器の露出や性行為が典型的な例とされます。 |
公然わいせつ罪の刑罰
公然わいせつ罪に該当すると、以下のいずれかの刑罰が科される可能性があります。
刑罰の種類 | 内容 |
---|---|
懲役 | 6か月以下の懲役 |
罰金 | 30万円以下の罰金 |
拘留 | 1日以上30日未満の身柄拘束 |
科料 | 1,000円以上10,000円未満の金銭の納付 |
これらの刑罰は、被害者がいない犯罪であるため、他の性犯罪と比較して軽いとされています。しかし、複数回の違反や悪質なケースでは、刑罰が重くなることがあります。
公然わいせつで逮捕された場合の流れ
公然わいせつ罪で逮捕された場合、その後の手続きは以下のように進みます。このプロセスを理解しておくことで、迅速かつ適切な対応が可能になります。
プロセスの段階 | 詳細 |
---|---|
逮捕 | 警察により逮捕され、まずは警察署で取り調べが行われます。現行犯逮捕と通常逮捕の2つの方法があります。 |
送検 | 逮捕後、警察は48時間以内に検察庁に身柄を送致します。これを「送検」と言います。送検後、検察官が勾留するか釈放するかを決定します。 |
勾留 | 検察官が勾留を請求し、裁判官が認めた場合、最大で10日間勾留されます。この期間はさらに10日間延長される可能性があります。 |
起訴 | 勾留期間中に検察官が起訴するか不起訴にするかを判断します。起訴されると正式裁判が開かれ、刑罰が決定されます。 |
略式命令 | 書面審査のみで罰金や科料が科される手続き。正式裁判を経ずに行われるため、迅速に決定されます。 |
判決 | 裁判で有罪・無罪や刑罰の重さが決定されます。有罪となれば前科がつくことになります。 |
公然わいせつ罪におけるリスクと影響
公然わいせつ罪で逮捕されると、刑罰以上に多くのリスクや社会的影響が生じます。これらのリスクを理解し、弁護士のサポートを受けることで、ダメージを最小限に抑えることが可能です。
社会的影響
影響 | 内容 |
---|---|
職場での懲戒処分 | 逮捕により欠勤が続くと、職場に事件が知られ、最悪の場合、懲戒解雇される可能性があります。 |
実名報道 | 逮捕が報道されると、実名が公表される可能性があります。これにより、社会的信用が大きく損なわれる恐れがあります。 |
家族への影響 | 事件が家族や親族に知られることで、家族関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。 |
法的リスク
リスク | 内容 |
---|---|
前科がつく | 有罪判決を受けると前科がつき、今後の生活に影響を及ぼします。 |
罰金や拘留 | 刑罰として罰金や拘留が科される可能性があります。 |
再犯のリスク | 公然わいせつ罪は再犯率が高いとされており、再犯により刑罰が重くなるリスクがあります。 |
公然わいせつ罪における弁護士の役割
公然わいせつ罪で逮捕された場合、弁護士の早期介入が非常に重要です。弁護士は、依頼者の権利を守り、最良の結果を得るために以下のような活動を行います。
早期釈放の可能性
弁護士は、検察官や裁判官と交渉し、逃亡や証拠隠滅の恐れがないことを説明することで、早期の釈放を目指します。これにより、仕事や社会生活への影響を最小限に抑えることが可能です。
不起訴処分の獲得
初犯の場合や、事件が単発的なものである場合、弁護士が適切に対応することで、不起訴処分を獲得する可能性が高まります。不起訴となれば、前科がつかずに事件が終結します。
示談交渉
目撃者や関係者との示談交渉を行うことで、不起訴や軽い処罰で済む可能性があります。示談が成立すれば、被疑者にとって有利な結果を得ることができます。
再犯防止策の提案
再犯のリスクを低減するために、弁護士は専門機関への通院や生活環境の改善を提案します。これにより、再犯の防止と、裁判での有利な評価が期待できます。
裁判での弁護活動
裁判では、弁護士が依頼者のために最善の弁護活動を行います。証拠の分析や検察官との交渉を通じて、依頼者の無罪や軽い刑罰を目指します。
公然わいせつ事件における具体的な弁護活動の例
弁護士がどのように依頼者をサポートするのか、具体的な例を挙げて説明します。
ケース1:初犯で逮捕された場合
初犯で公然わいせつ罪に問われた場合、弁護士は早期の釈放と不起訴処分を目指して活動します。初犯であり、特に悪質なケースでない限り、弁護士が適切に対応すれば、釈放や不起訴処分が得られる可能性が高いです。
ケース2:再犯の場合
再犯の場合、刑罰が重くなるリスクが高まります。弁護士は、依頼者の再犯防止策を提案し、裁判官に対して反省の意を示すことで、執行猶予付きの判決を目指します。また、示談交渉を行い、被害者との和解を図ることも重要です。
ケース3:否認事件の場合
公然わいせつ罪を否認する場合、弁護士は被疑者の主張を証明するための証拠を集め、検察官や裁判官に対して強く弁護します。このような場合、早い段階で弁護士を付けることが非常に重要です。
ケース4:被害者がいる場合
公然わいせつ罪では、目撃者が実質的な被害者とみなされることがあります。弁護士は、被害者との示談交渉を行い、和解が成立すれば、不起訴や軽い処罰を目指します。
公然わいせつ罪の具体的な事例
以下に、公然わいせつ罪に関する具体的な事例を紹介します。これらの事例は、依頼者がどのような状況に直面し、どのように解決したかを示しています。
事例1:職場復帰に成功したケース
会社員Aさんは、公然わいせつ罪で逮捕され、職場に知られることを恐れていました。弁護士は迅速に介入し、検察官との交渉を行い、Aさんは釈放されました。その後、示談交渉を行い、不起訴処分を獲得したことで、Aさんは無事に職場に復帰することができました。
事例2:執行猶予付き判決を得たケース
再犯で逮捕されたBさんは、刑務所行きを避けるために弁護士を依頼しました。弁護士は、Bさんが再犯防止のために専門機関に通院していることを強調し、裁判官に対して執行猶予付きの判決を求めました。その結果、Bさんは執行猶予を得て、社会復帰することができました。
事例3:不起訴処分を得たケース
初犯で逮捕されたCさんは、弁護士の助言に従い、目撃者と示談交渉を行いました。示談が成立したことで、検察官は不起訴処分を決定し、Cさんは前科がつかずに事件を終えることができました。
公然わいせつ罪に関するQ&A
Q1: 初犯ですが、逮捕される可能性はありますか?
A: 初犯であっても、状況によっては逮捕される可能性があります。しかし、弁護士が早期に介入することで、逮捕を回避する可能性が高まります。警察に呼び出された場合は、速やかに弁護士に相談することをお勧めします。
Q2: 公然わいせつ罪で逮捕されたら、会社に知られますか?
A: 逮捕されると、会社に知られる可能性があります。長期間の欠勤や実名報道が原因で、会社に事件が伝わることがあるため、弁護士が早期釈放を目指すことが重要です。釈放が早ければ、職場に知られるリスクを減らすことができます。
Q3: 示談をすれば不起訴になりますか?
A: 示談が成立すれば、不起訴になる可能性が高まります。目撃者や被害者が示談に応じ、検察官にその事実を伝えることで、不起訴処分が得られるケースが多くあります。ただし、示談が成立しても必ず不起訴になるわけではないため、弁護士のアドバイスに従うことが重要です。
Q4: 再犯の場合、どのような刑罰が科されますか?
A: 再犯の場合、初犯に比べて刑罰が重くなる可能性があります。特に、過去に同様の罪で罰金や執行猶予を受けた場合、懲役刑となるリスクが高まります。再犯のリスクを軽減するために、弁護士のアドバイスを受けながら、再犯防止策を講じることが重要です。
公然わいせつ罪に関する法律の理解
軽犯罪法との関係
公然わいせつ罪と似たような罪として、軽犯罪法第1条20号に規定された「身体露出の罪」があります。これは、公然わいせつ罪ほど重くはありませんが、公衆の目に触れる場所で身体の一部を露出する行為が該当します。
軽犯罪法第1条20号(身体露出の罪)
「公衆の目に触れるような場所で公衆に嫌悪の情を催させるような仕方で身体の一部をみだりに露出した者は、拘留または科料に処する。」(軽犯罪法第1条20号)
この罪に問われると、1日以上30日未満の拘留、または1,000円以上10,000円未満の科料が科されます。
公然わいせつ罪と軽犯罪法の違い
公然わいせつ罪と軽犯罪法の身体露出の罪は、いずれも公共の場での露出行為に関連していますが、その対象となる行為や刑罰の重さが異なります。公然わいせつ罪は、性欲を刺激するようなわいせつ行為に対して科される重い罪であり、軽犯罪法はより軽微な露出行為に対して適用されます。
法律の適用範囲と判例
公然わいせつ罪や軽犯罪法の適用範囲については、判例によって解釈が異なる場合があります。例えば、特定の場所での露出行為が公然わいせつ罪に該当するかどうかは、裁判所がその場の状況や行為の性質を考慮して判断します。
公然わいせつ罪に関連する裁判事例
公然わいせつ罪に関する裁判事例は、過去の判決を通じて法律の適用範囲や量刑がどのように決定されるかを示しています。以下に、いくつかの裁判事例を紹介します。
事例1:公園での露出行為
ある男性が公園で陰部を露出し、その場に居合わせた女性が警察に通報しました。男性は逮捕され、起訴されましたが、弁護士の努力により示談が成立し、最終的に不起訴処分となりました。この事例では、早期に示談交渉を行うことが重要であることが示されています。
事例2:職場でのセクハラ行為
職場での飲み会の後、酔った勢いで女性同僚に対してわいせつな行為を行った男性が、公然わいせつ罪で起訴されました。裁判では、被害者との示談が成立せず、男性は罰金刑を受けることになりました。この事例は、職場内での行為であっても公然わいせつ罪が適用される可能性があることを示しています。
事例3:再犯による懲役刑
過去に公然わいせつ罪で罰金刑を受けた男性が、再び同じ罪で逮捕されました。裁判では、過去の前科と再犯のリスクが考慮され、懲役6か月の判決が下されました。この事例は、再犯がどれほど厳しく処罰されるかを示すものであり、再犯防止策の重要性を強調しています。
公然わいせつ罪の予防と対策
公然わいせつ罪に問われないためには、どのような行為が犯罪に該当するのかを理解し、予防策を講じることが重要です。以下に、公然わいせつ罪を未然に防ぐための具体的な対策を紹介します。
公共の場での行動に注意
公共の場では、他者に不快感を与える行為を慎むことが重要です。特に、アルコールの影響で判断が鈍くなる場合は、過度な飲酒を避け、冷静な判断を保つよう心がけましょう。
早期の相談と対処
万が一、公然わいせつ罪に問われる可能性がある場合は、早期に弁護士に相談することが重要です。弁護士のアドバイスを受けながら、適切な対策を講じることで、逮捕や起訴を回避する可能性が高まります。
再犯防止のための支援
過去に公然わいせつ罪で逮捕された経験がある場合は、再犯防止のための支援を受けることを検討しましょう。専門機関でのカウンセリングや治療プログラムに参加することで、再犯リスクを低減できます。
法律の知識を深める
公然わいせつ罪に関する法律の知識を深めることで、自身がどのような行為を避けるべきかを理解できます。定期的に法律の勉強をすることや、法律の専門家に相談することで、リスクを未然に防ぐことが可能です。
裁判での強力な弁護活動
裁判が避けられない場合でも、坂口靖弁護士は依頼者のために最善を尽くして弁護活動を行います。証拠の分析や検察官との交渉を通じて、有利な判決を得るための努力を惜しみません。
公然わいせつ罪に関するまとめ
公然わいせつ罪は、社会的な影響が大きく、人生に重大な影響を及ぼす可能性があります。しかし、早期に弁護士に相談し、適切な対応を講じることで、ダメージを最小限に抑えることができます。千葉で刑事事件に強い弁護士坂口靖は、依頼者の権利を守り、最善の結果を得るために尽力します。公然わいせつ罪に関するお悩みがある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

千葉県弁護士会所属
刑事事件を専門とし、多数の無罪判決や画期的な成果を獲得してきた実績があります。
刑事弁護実績600件以上!
強制わいせつ致傷事件で無罪判決、窃盗事件で無罪判決2件、道路交通法違反事件で無罪判決、強制性交事件で認定落ち判決、殺人未遂事件で中止犯認定による執行猶予判決など、多くの困難な刑事事件で圧倒的な成果を達成しています。
坂口靖弁護士の実績
- 性犯罪に関する実績:
- 強制わいせつ致傷事件: 裁判員裁判で無罪判決。
- 強制性交事件: 第2審で逆転無罪判決。
- 強制わいせつ致傷事件: 示談により不起訴処分。
- 強姦事件: 執行猶予付き判決を獲得。
- 痴漢事件: 早期釈放と不起訴処分。
- 児童ポルノ事件: 不起訴処分。
- 薬物事件に関する実績:
- 大麻取締法違反事件: 執行猶予付き判決。
- 覚せい剤取締法違反事件: 不起訴処分。
- 交通事故に関する実績:
- 道路交通法違反事件: 無罪判決を獲得。
- 過失運転致傷事件: 控訴審で逆転判決。
- 危険運転致傷事件: 執行猶予付き判決。
- 飲酒運転事件: 罰金刑を獲得。
- 窃盗・偽造に関する実績:
- 窃盗事件: 無罪判決。
- 窃盗事件: 一部無罪判決。
- 窃盗(万引き)事件: 罰金刑。
- クレプトマニア事件: 再度執行猶予判決。
- クレプトマニア事件: 不起訴処分。
- 窃盗事件: 共犯者より有利な執行猶予判決。
- 詐欺事件: 執行猶予判決。
- 詐欺事件: 逆転判決。
- 詐欺事件: 不起訴処分。
- 傷害・侵害に関する実績:
- 殺人未遂事件: 中止犯成立により執行猶予判決。
- 過失運転致傷事件: 控訴審で逆転判決。
- 危険運転致傷事件: 執行猶予付き判決。
- 殺人事件: 不起訴処分。
- 殺人事件: 嘱託殺人として執行猶予付き判決。
これらは坂口靖弁護士の実績です。詳しくは実績ページをご覧ください。
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