
書類送検とは何か?
書類送検の意味
書類送検とは、警察が事件の捜査を終えた後、捜査記録を検察官に送る手続きのことです。書類送検が行われても、有罪判決が下るまでは「前科」とはなりません。逮捕されずに書類送検された場合、通常の日常生活を送りながら捜査が進められます。これにより、被疑者は捜査期間中も仕事や家庭生活を続けることができます。
書類送検と逮捕の違い
書類送検と逮捕の大きな違いは、身体拘束があるかどうかです。逮捕は被疑者を身体拘束する手続きであり、逮捕後は48時間以内に検察官に送致されます。逮捕された場合、被疑者は警察署の留置場に収容され、捜査が行われます。一方、書類送検は身体拘束を伴わず、捜査記録のみが検察官に送られます。書類送検された場合、被疑者は通常の日常生活を送りながら、検察官の取り調べに応じることが求められます。
書類送検の具体的な流れ
書類送検の流れは以下の通りです:
- 事件の発覚と捜査の開始: 警察が事件を発見し、捜査を開始します。被疑者に対する取り調べや証拠収集が行われます。
- 捜査の終了と書類送検の決定: 捜査が終了し、警察は事件の記録をまとめます。書類送検が適当と判断されると、捜査記録が検察官に送られます。
- 検察官による取り調べ: 検察官は送られてきた捜査記録を基に、被疑者の取り調べを行います。必要に応じて追加の証拠収集や取り調べが行われます。
- 起訴か不起訴かの判断: 検察官は取り調べの結果を基に、被疑者を起訴するか不起訴とするかを判断します。起訴された場合、裁判が開かれます。
書類送検の実例
書類送検の実例としては、交通違反や軽犯罪、名誉毀損などがあります。これらの事件では、被疑者が逃亡の恐れがないと判断され、書類送検が行われることが一般的です。例えば、軽微な交通違反であれば、警察は被疑者を逮捕せず、書類送検で対応することが多いです。
書類送検後の流れ
書類送検後の流れ
書類送検後は、検察官による取り調べが行われます。検察官は事件の内容を精査し、起訴するか不起訴とするかを判断します。起訴されると裁判が開かれ、有罪判決が下れば前科が付きます。不起訴となれば前科は付きません。検察官の取り調べは、通常、数週間から数ヶ月にわたって行われます。この期間中、被疑者は複数回の取り調べに応じる必要があります。
書類送検後の取り調べの詳細
検察官による取り調べは、以下のように進行します:
- 初回取り調べ: 書類送検された直後に、検察官からの呼び出しがあります。被疑者は指定された日時に検察庁に出頭し、取り調べを受けます。
- 追加の取り調べ: 初回取り調べの結果に基づき、追加の取り調べが行われることがあります。検察官は被疑者に対して質問を行い、証拠の確認や新たな証拠の提出を求めることがあります。
- 証人の取り調べ: 必要に応じて、事件に関連する証人の取り調べも行われます。これにより、事件の全貌が明らかにされます。
- 最終判断: 取り調べが完了すると、検察官は最終的な判断を下します。起訴する場合、裁判が開かれます。不起訴とする場合、被疑者は解放され、前科は付きません。
起訴か不起訴かの判断基準
検察官が起訴するか不起訴とするかの判断基準は、以下の通りです:
- 証拠の有無: 被疑者が犯罪を行ったとする十分な証拠があるかどうかが判断されます。証拠が不十分な場合、不起訴とされることがあります。
- 被疑者の供述: 被疑者の供述内容も判断基準となります。自白が得られた場合、起訴される可能性が高まります。
- 被害者の意向: 被害者が示談に応じるかどうか、または被害者が厳罰を望むかどうかも考慮されます。
- 再犯の恐れ: 被疑者に再犯の恐れがあるかどうかも重要な判断基準です。再犯の恐れがある場合、起訴される可能性が高まります。
図: 書類送検後のプロセス

書類送検後の生活への影響
書類送検後も、被疑者は通常の日常生活を送ることができます。ただし、検察官の取り調べや裁判に出頭する義務があり、生活に影響が出ることもあります。また、事件の内容や報道によっては、社会的な評価や信用に影響が出ることもあります。
不起訴を目指すための対策 | 坂口靖 弁護士のアドバイス
不起訴を目指すための対策
不起訴を目指すためには、早期に弁護士に相談し、被害者との示談や再犯防止のための具体的な行動を取ることが重要です。坂口靖弁護士は、これまで多くの不起訴事例を手掛けており、皆様の力になります。
示談の重要性
示談は不起訴を目指すための重要な手段です。示談が成立すると、被害者の意向が考慮され、検察官が不起訴と判断することがあります。示談においては、以下の点が重要です:
- 早期の対応: 事件が発覚した直後に示談交渉を開始することが重要です。早期の示談が成立すれば、検察官の判断に影響を与える可能性が高まります。
- 適正な賠償: 被害者に対して適正な賠償を行うことが必要です。賠償金額は、被害の程度や被害者の要求に基づいて決定されます。
- 謝罪と反省: 被疑者が真摯に謝罪し、反省の意を示すことが重要です。被害者の信頼を得るためには、誠実な態度が求められます。
再犯防止のための行動
再犯防止のためには、以下の具体的な行動が求められます:
- カウンセリング: カウンセリングを受けることで、再犯のリスクを減少させることができます。特に、依存症や精神的な問題がある場合は、専門家のサポートが重要です。
- 職業訓練: 再犯を防ぐためには、安定した職業に就くことが重要です。職業訓練を受け、新たなスキルを身につけることで、再犯のリスクを減少させることができます。
- 家族のサポート: 家族のサポートを受けることで、再犯を防ぐことができます。家族との良好な関係を築き、支援を受けることが重要です。
坂口靖弁護士のサポート
坂口靖弁護士は、多くの不起訴事例を手掛けており、以下のようなサポートを提供します:
- 示談交渉の支援: 被害者との示談交渉をサポートし、適正な賠償や謝罪を行うためのアドバイスを提供します。
- カウンセリングの紹介: 必要に応じて、信頼できるカウンセラーを紹介し、再犯防止のためのサポートを提供します。
- 職業訓練の支援: 再犯防止のための職業訓練や就職支援を行い、被疑者が安定した生活を送るためのサポートを提供します。
よくある質問とケーススタディ | 坂口靖 弁護士の解説
よくある質問
書類送検されたら前科が付くの?
書類送検された時点では前科は付きません。有罪判決が確定した場合に初めて前科が付きます。前科が付くと、就職や社会生活において様々な影響が出る可能性があります。
書類送検後に逮捕されることはあるの?
書類送検後に逮捕されることもあります。検察官が必要と判断した場合、逮捕状を請求し、逮捕に至ることがあります。逮捕後は、再び取り調べが行われ、最終的な判断が下されます。
書類送検と逮捕、どちらが重い処分?
逮捕は身体拘束を伴うため、事実上の不利益が大きいですが、書類送検自体は軽い処分とは言えません。最終的な刑事処分の重さは裁判所の判決により決まります。逮捕の場合、被疑者は警察署に拘束されるため、日常生活に大きな影響を与えます。
書類送検後の生活はどうなるの?
書類送検後も被疑者は通常の生活を送ることができます。ただし、検察官からの呼び出しに応じる必要があり、取り調べのために指定された日時に出頭する義務があります。取り調べの頻度や内容は事件の性質によりますが、数週間から数ヶ月にわたることが一般的です。
ケーススタディ
ケース1: 初犯の軽微な犯罪
被疑者が初犯であり、軽微な犯罪(例:万引き)を犯した場合、警察は書類送検を選択することがあります。この場合、被疑者は通常の日常生活を送りながら、捜査や取り調べに応じることができます。示談が成立すれば、不起訴となる可能性が高まります。
ケース2: 証拠隠滅の恐れがある場合
被疑者に証拠隠滅の恐れがある場合、警察は逮捕を選択することがあります。逮捕後、被疑者は48時間以内に検察官に送致され、その後の取り調べや裁判が行われます。逮捕された場合、被疑者は身体拘束され、取り調べが行われます。
ケース3: 名誉毀損の事例
名誉毀損の事例では、被疑者がインターネット上で他人の名誉を傷つける発言をした場合、警察は書類送検を選択することがあります。この場合、被疑者は通常の日常生活を送りながら、取り調べに応じることが求められます。被害者との示談が成立すれば、不起訴となる可能性が高まります。
ケース4: 交通違反の事例
交通違反の事例では、軽微な違反(例:速度超過)であれば、警察は書類送検を選択することがあります。被疑者は通常の日常生活を送りながら、取り調べに応じることが求められます。交通違反の事例では、適切な罰金を支払うことで問題が解決することが多いです。

千葉弁護士会所属
刑事事件を専門とし、多数の無罪判決や画期的な成果を獲得してきた実績があります。
刑事弁護実績600件以上!
強制わいせつ致傷事件で無罪判決、窃盗事件で無罪判決2件、道路交通法違反事件で無罪判決、強制性交事件で認定落ち判決、殺人未遂事件で中止犯認定による執行猶予判決など、多くの困難な刑事事件で圧倒的な成果を達成しています。
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